img_illust_08今回は鍼灸がカラダにどのような作用、メカニズムで
働いてくれるのかをなるべくわかりやすくお話します。

人間のカラダは交感神経副交感神経という2つの自律神経でコントロールされています。

常にどちらかの神経が働いています。(拮抗支配と2重支配)

交感神経は興奮時や心拍数をあげるときなどに優位に働き、副交感神経はリラックス時や消化器を働かせるときなどに優位に働きます。この2つの神経がアンバランスになってしまうと、「自然治癒力」がうまく働かなくなってしまいます。

「自然治癒力」とは、
・カラダの中に入ってきた異物(病原菌など)から防御し免疫をつくる機能
・傷ついたり古くなった細胞を修復・再生する機能など
人が生まれながらに持っている力のことです。

この現代社会では心理的ストレスが過度にかかり、わたしたちの「自然治癒力」自体が弱まってきました。

ストレスがかかると、ストレスに立ち向かおうと交感神経が過剰になり、血管が収縮します。すると血流が悪くなり筋肉も硬くなってしまうのです。

うまくリラックスできないので副交感神経は働けず、消化器などの臓器に働くよう指令も送れません。

多くの疾病はこの「自然治癒力」の低下により発症すると言われています。

そこで注目されたのが鍼灸治療です。

鍼灸はモルヒネに似た神経物質を出させて鎮痛する作用や、自律神経のバランスを整える作用があるので「自然治癒力」を底上げしてくれます。

もう少し詳しくお話すると、鍼という“異物”をカラダの中に入れることによって、異物処理班の白血球や貪食細胞が増加して寄ってきて、病的な滲出物などカラダに不必要なものを吸収してくれるので免疫力が上がります。中枢神経に働きかけて交感神経の過度な緊張を緩和させ、筋肉の緊張も緩和します。副交感神経は活性化され、自律神経のバランスが調整されます。そして反射(軸索反射)で筋肉の血管を拡張する物質が増加して活発になり血流が良くなります。

鍼灸といえば、肩こり腰痛などの骨格筋へのアプローチが有名ですが、こうしてカラダの本来の機能を元に戻してバランスを整えてくれるので未病(まだ発症していない病気)を治す効果もあるのです。

鍼灸に通うようになって風邪をひきにくくなったなどのお声もあがっています。西洋医学のように、薬や手術で外からカラダをコントロールする方法ではなく、本来自分が持っている力でカラダの内側から治すという方法なので、カラダにとても優しい治療なのです。

鍼灸師 玄田